Amazonに盗作されたデザインが販売されていた問題を検証してみた

Tシャツとか
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Twitterのタイムラインを見ていたら、衝撃的なツイートを発見しました。


なんと、人気グッズを数多く手掛けるすとろべりーガムさんのデザインが盗用されAmazonで販売されているそうです!
人気がある反面、こういったことは付きものな気がしますが、実際に見つけるとヒトのデザインですがショックなものですね。

では、実際盗作したらどのくらいの質が悪くなるのでしょうか。
買ってはいけないし、買いたくない。しかし気になってしまいます。

実際に販売されている盗作物のクオリティはどうなの?

実際に買ったことがないのでわかりませんが、Amazonの偽物のページを見る限りですと、SUZURIさんやTシャツトリニティさん、ClubTさんより生成された商品画像をパクって掲載しているだけのようです。

注文から4~5日で発送など記載があるので、実物自体は持っておらず注文があってから印刷スタイルではないか?と思っております。

ベースのTシャツも何を使用するかはわかりません。
もしかしたらペラペラだったり、シワが付きやすい安物にプリントする可能性もありますね。

また、Tシャツに使用するインクジェットプリンターは小規模タイプで20万~と高額なので、
インクジェットプリントではなく、体操着の名前シールみたいなアイロンプリントだったりするかも知れません。

当然のことながらSUZURIさんやTシャツトリニティさんの工場ではもっと高価なインクジェットプリンターをお持ちだと思うので、
機械の生産クオリティの差もありそうです。

盗作商品は価格も2,000円前後と安価だったので粗悪なものが届く可能性はかなり高そうです。

実際に盗作して検証

実際に私が盗作してみました。

とはいえ、自身のデザインを盗作したので不問にしてください。不問!不問!

どんな方法で盗作するの?

実は私は前からかなり気になっている画像があります。
それはSUZURIさんのOGP画像です。

歪みも透かしもないのでめっちゃ盗作しやすいと思っているので、ここから拝借しようと思います。
ツイートにも書いたように大きいものだと1200px*630pxもあるので、画質としてはそこそこイケそうな気がします。
※Tシャツトリニティさんが入稿の最低サイズが1000pxとなっているため、単純に2倍に拡大した際の劣化度がどのくらいかが気になるところです。

OGPって何?

「Open Graph Protocol」の略で、TwitterなどのSNSでwebページやブログの記事がシェアされた時、LINEでページのURLを送信した時に、概要やそのページの特徴画像を表示させる仕組みです。

これがあるこによって、掲載されているリンク先が魅力的に表現されてクリックしたくなるワケなので、なくてはならない機能です。

※2021/08/28時点でのTwitterのOGP画像です。

やっぱり、この画像があることによってクリックしたくなることは間違いないです。

このOGP画像はちゃんと設定できていているのか確認する便利サイトがあり、知っていれば誰でも簡単にダウンロードできてしまう画像です。

どのくらいで盗作できるの?

では、このOGP画像からどのくらいの時間で抜き出せるのだろうか。

気になったのでなぜかRTA風に計測してみました。
レギュレーションは下記です。

  • 対象のデザインを開いた状態から
  • WEB用に書き出し > PCの保存画面まで

結果は、5分くらいで盗作できました。

※※※注意事項※※※
この方法は、「盗用されやすい」と各種プラットフォームサイトに訴えかけるもので、デザインの盗作を促すものではありません。

思ったより早くデータができました。
切り抜きガバが結構あっても5分程度なので、べた塗りシンプルデザインやトリミングされたデザインなんかはもっと素早くできるのではないでしょうか?

盗作したデータの印刷劣化度は?

劣化度も気になったので実際に印刷して見てみた。

  1. SUZIRIさんのOGPから作成したデータを使用
  2. 別工場に入稿して印刷クオリティを比較する

現在すでに手元にあるTシャツと見比べてみます。
今回発注した工場は、おなじみTシャツトリニティさんです。
Tシャツトリニティさんの印刷クオリティとSUZURIさんの印刷クォリティはほぼ拮抗しているので、
画質の劣化度の比較検証として最適です。
(2社の比較は『SUZURIとTシャツトリニティのTシャツ印刷クォリティを比較してみた』の記事に書いてますので併せてご覧ください。)

※すでに何度か着用&洗濯を行っているので完全に同じ環境での比較ではないのでご了承ください。

盗作1枚目(写真・ぼかしなど含む)

これが先の動画で切り抜いていたTシャツのデザインです。右が盗作です。
ちなみに本物の方が2回着用2回洗濯。盗作が洗濯なしアイロン有です。

フチがちゃんと切り抜けていないですね。これは書き出しの時に拡大したからかもしれません。
切り抜き→スマートオブジェクト→拡大 としたらフチはでないかも。

と、してもかすれ具合は上手く再現できてないような感じですね。
アップして撮影した写真も載せます。

写真の部分で劣化が目立つと思ったのですが、意外とあまり変わらないですね。
そもそも、どれだけ高画質にしても、布に印刷してしまうと画像の再現度が下がってしまいますから、
盗作したデータの劣化度でもTシャツに印刷したら本物と偽物がトントンになってしまっています。

盗作2枚目(べた塗り系)

1枚目と同じ方法でSUZURIのOGPより盗作してます。こちらも自身のデザインで、べた塗り系で検証してみました。
ちなみに、本物が10回以上着用10回以上洗濯。偽物は洗濯なしアイロン有です。

先にも書いたとおり、白フチは私の画像編集のミスで残ってしまったものなので丁寧に除去すれば消えるかと思います。
左の本物ですが、何度か着て何度か洗っているので味わいが出てきていて、もはや偽物より劣化しています。

アップした画像も見ていきましょう。

正直言って、これの劣化は全くないですよね。ぜんぜんわかりません。
べた塗り系はOGP画像の時点での劣化が非常に少なかったです。

これでは、盗作されたTシャツが街をウロウロしてもパッと見てわかりません。

むしろ、盗作され売られているものを本物だと思って買ってしまって、そのまま気づかない可能性さえあります。

盗作はどうやって対策すべきか

とても難しい問題ですが、現状自身でできるところは下記のように考えております。

  • 見つけ次第販売サイトに通報する
  • 裏面にもデザインをプリントする
  • ClubTに登録しておく
  • Merch by Amazonに登録しておく
  • SNSで呼びかける

見つけ次第販売サイトに通報する

めっちゃ基本的ですがこの方法です。
いくつかの盗作デザインはすでに削除されているようでした。
やはり通報した効果でしょうか。

両面にデザインをプリントする

例えば表面なら首元にワンポイント、裏面なら胸元にワンポイント入れたりとひと手間加える。

SUZURIさんのOGPだとアイテム一覧に表示する画像の方のデザインが引用されるので、
両面にデザインすることで、もう片面のデザインをパクることが面倒くさくなります。

「絶対に盗作されない!」とは言い切れませんが、面倒くさいと思わせることは盗作の妨害になります。
ブランドロゴなどなくても、このデザインがプリントされてれば安ければそっちが欲しい!という場合は、そういう方なので仕方ないかなと思ってます。某高級ブランドも偽物でも安ければいいやって思って持ってる人たくさんいますから。

この方法のデメリットは1枚あたりのTシャツの金額が高くなってしまうことです。
両面プリントにすることによって印刷サイズにかかわらず、SUZURIさんですと+770円、Tシャツトリニティさんだと+550円となります。
※2021/08/28時点のベーシックなTシャツでブレンドプリントの場合の差額です。アイテムによって異なる場合があります。

当たり前ですが、金額が高額になると手に取る方が少なくなってしまうし、盗作を防ぐために無理にデザインを加えるのは良い方法ではないなと感じてます。

ClubTに登録しておく

ClubTさんはこの盗作問題がでた際にスピーディーにクリエイター保護を行っておりました。
オリジナルグッズ系のサイトさんの中ではかなりフットワーク軽い(という表現でいいのか?)と感じました。

すとろべりーガムさんが「ClubTさんの画像が勝手に使われている」という問題に対して即座に対応しているツイートです。
これを見て感銘を受け私もClubTさんに登録しました。

さらに、支援クーポン配布まで。こんなの惚れてまうやろ!って感じですね。

また、ClubTさんはAmazonでも販売しており、それも抑止になっているのでは?と考えております。

ClubTさんが既にAmazonに出品していることにより、ClubTさんから「コピー商品が売られています」とAmazonに報告することでスピーディに盗作ショップから削除させる流れがあるのではないかと予測しています。心強いですね。

残念なことにこのようなゴリゴリのパチモンは別のデザインという判定なのかまだAmazonから削除されていません。
まぁ、欲しくなるデザインでないので問題ないでしょう。(腹立ちますけどね。)

Merch by Amazonに登録しておく

これは最近Amazonが始めたサービスでSUZURIさんやTシャツトリニティさんのAmazon版というところです。
先のClubTさんのAmazon出品による抑止同様で、先に出品することで権利を主張して盗作商品販売を抑止する方法です。

他社の商品のコピーがAmazonで販売されているとなると、Amazon側が確認にも手間があることが予想されます。

しかしながら、Amazon内の出品のみの問題ですとスピーディに対応してくださるのではないかと予想しております。

SNSで呼びかける

自身でSNSで呼びかけることもフォロワーさんへの注意喚起になるかと思います。

しかしながら一般の人は商品購入後にツイッターやインスタなどでクリエータのことを知る人が多いので、
どのくらいの効果があるのかは不明です。自身のブランド力を上げることの重要性を痛感しますね。

各種販売サイトさんにしてほしいこと

販売サイトさんの都合や予算も考えずまず言わせてもらうと、このままでは盗作商品が出回ってしまっても盗作か本物かの違いを示すすべがありません。

ベースとなっているTシャツも調べればわかるし、買おうと思えば買えるし、デザインもパクろうと思えばパクれる。
まったく同じものを作ることは可能。

各種販売サイトさんに依頼することによるオリジナリティって何?と真剣に考えております。

たとえば首のタグがオリジナルのモノだったり、腕にオリジナルのタグがついていたりしたらプリントされているデザインがほぼ一緒でも、タグの有無で「こっちは本物、こっちは偽物」とわかる。

そういった効果のある何かが欲しいと思ってる。

おわりに

と、いうことで盗作問題について真面目に考えてみました。
オリジナルグッズ販売サイトからヒット作品が出るたびに付きまとう問題なので、各社さんには何かしら対策してほしいと思いますし、
自身でも保険として各種サイトにあらかじめ登録して抑止するという方法をつとめるのが現状ではベストなのではないかと感じております。

今後も盗作の対策や各企業の行動などには注目していきたい問題だと思っております。

参考記事

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